精神看護学(1):情緒発達と精神看護の基本 第5版
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発行 : 2022年1月

サイズ : B5判 240頁

ISBN-10 : 4-8404-7541-5

ISBN-13 : 978-4-8404-7541-9

商品コード : 308014194

在庫 : 在庫あり(申込可)

看護基礎教育テキスト

ナーシング・グラフィカ

精神看護学(1):情緒発達と精神看護の基本 第5版

発行 : 2022年1月

サイズ : B5判 240頁

ISBN-10 : 4-8404-7541-5

ISBN-13 : 978-4-8404-7541-9

商品コード : 308014194

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●脳とこころの関係や、こころの働きが生まれるしくみを理解し、ストレスとコーピング、危機からのリカバリーについて学びます。

●情緒体験のプロセスと他者との関係性が人格形成にどう影響するかについて学習します。

●各ライフステージにおけるメンタルヘルスの特徴と危機を知り、現代社会のこころのありようと人間関係について、また家族のありようと必要な支援について考えます。

●10章「精神医療の歴史と看護」、11章「精神保健医療福祉をめぐる法律」では、ポイントを簡潔に解説し、精神障害者をめぐるこれまでの歴史と法律の整備、人権擁護について理解を深めます。

●精神科で働く看護師のストレスの特徴とストレスマネジメントの方法を学びます。


「はじめに」

「シラバス・授業計画案」

旧版はこちら

著者

東京医療学院大学保健医療学部看護学科教授 出口 禎子 編集

日本赤十字看護大学看護学部教授 鷹野 朋実 編集

2,860 円(税込)

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目次

【ARコンテンツ】

●精神科看護を学ぶにあたって〈動画〉

●「飲まないで生きてゆく」アルコホーリクス・アノニマス(AA)〈動画〉

●日常生活自立支援事業〈動画〉

●精神医療の変遷〈動画〉

●精神看護におけるリエゾンナース〈動画〉

●精神疾患患者へのかかわり〈動画〉


・はじめに

・本書の特徴


【1 精神障害についての基本的な考え方】

◆1 こころの健康とは

◆2 障害のとらえ方

■1 精神障害者に対するこれまでの処遇

■2 精神障害は悩みや葛藤の延長線上にある

■3 精神看護学の視点から

■4 「精神障害者」としてとらえる

■5 人と集団

・1 集団とは何か

・2 集団の体験

・3 集団の治療的因子(ヤーロムの治療的因子)

◆3 社会の変化とメンタルヘルス

・1 社会の変化とこころの関連

・2 社会の変化と病理との関連

◆4 精神障害が生じるきっかけとプロセス

・1 統合失調症の発症の関連要因

・2 カプランの地域精神保健活動

◆5 対象理解の難しさ

■1 人のこころの理解

■2 精神障害者を「知る」

◆6 精神障害と闘病体験

■1 社会の偏見・差別と長期入院


【2 人間のこころと行動】

◆1 人のこころのさまざまな理解

■1 こころを脳の構造から理解する

■2 こころをこころの働きから理解する

■3 こころをこころの構造に関する仮説から理解する

・1 エス・自我・超自我

・2 無意識・前意識・意識

・3 こころの動きを理解するための仮説の意義

■4 こころをみる看護の視点

◆2 こころと環境

■1 欲求

・1 本能的欲求と社会的・対人的欲求

・2 欲求の多様化

・3 本能的欲求に反する行動

・4 欲求に及ぼす疾患の影響

■2 心理的成熟

・1 欲求不満:フラストレーション

・2 同化と調節

・3 自我同一性:エゴ・アイデンティティー

・4 発達に応じた課題

■3 ストレスとコーピング

・1 環境が人に及ぼす影響

・2 ストレスとストレッサー

・3 ストレスコーピング

■4 適応と不適応

・1 ホメオスタシスとストレス

・2 精神疾患とストレス

・3 ストレスは避けることができない

■5 不安とその対処法(コーピング)

・1 不安

・2 病的不安

・3 不安の対処法(コーピング)

■6 こころの防衛機制

1 抑圧(repression)

2 代償(compensation)

3 置き換え(displacement)

4 合理化(rationalization)

5 知性化(intellectualization)

6 取り入れ(introjection)と同一視(identification)

7 投射(projection)

8 取り消し(undoing)

9 否認(denial)

10 解離(dissociation)

11 転換(conversion)

12 空想(fantasy)

13 退行(regression)

14 昇華(sublimation)

■7 こころの危機と危機介入

・1 成熟的危機

・2 状況的危機

・3 危機介入

■8 リカバリーとその支援

・1 リカバリー

・2 レジリエンス

・3 ストレングス〈強み・力〉とエンパワメントアプローチ


【3 人格の発達と情緒体験】

◆1 対象関係論の立場から

◆2 対象との出会い

■1 情緒体験の始まり

・1 初めての不安体験

・2 部分対象関係と全体対象関係

・3 絶対依存

・4 受け取る喜び,与える喜び

■2 初めての挫折体験

・1 欲求不満という苦痛

・2 スプリッティング:分裂

■3 愛と憎しみ

・1 全体対象関係と分離不安

・2 罪悪感と償い:抑うつ態勢

◆3 母子関係の発展

■1 皮膚を通しての相互交流的コミュニケーション

■2 母親を「こころの安全基地」として

■3 一人でいる能力

■4 感情を受け入れる母親


【4 人生各期の発達課題:ライフサイクルとメンタルヘルス】

◆1 ライフサイクルとストレス

◆2 ライフサイクル各期における特徴と危機

■1 乳幼児期(0~6歳ごろ)

・1 新生児期・乳児期(0~1歳)の特徴

・2 幼児期(1~6歳)の特徴

・3 ライフサイクル上の危機

■2 学童期(6~12歳ごろ)

・1 学童期の特徴

・2 ライフサイクル上の危機

■3 思春期(12~18歳ごろ)

・1 思春期の特徴

・2 ライフサイクル上の危機

■4 青年期(18~25歳ごろ)

・1 青年期の特徴

・2 ライフサイクル上の危機

■5 成人期(25~40歳ごろ)

・1 成人期の特徴

・2 ライフサイクル上の危機

■6 中年期(40~65歳ごろ)

・1 中年期の特徴

・2 ライフサイクル上の危機

■7 老年期(65歳以上)

・1 老年期の特徴

・2 ライフサイクル上の危機


【5 現代社会とこころ】

◆1 現代社会の特徴

■1 流動化

・1 「第一の近代」における雇用

・2 「第二の近代」における雇用

■2 個人化

・1 共同体から自立した存在へ

・2 個人化に伴うリスク

■3 情報化

・1 情報通信機器の普及

・2 情報社会がもたらす問題

◆2 現代社会とこころの問題

■1 自殺

・1 自殺者数の推移

・2 インターネットと自殺との関わり

■2 自傷行為

■3 ひきこもり

■4 不登校

■5 ドメスティックバイオレンス(DV)

■6 児童虐待

■7 職場におけるハラスメント

■8 現代社会と「生きづらさ」

・1 雇用の流動化の影響

・2 個人化と自己責任論

・3 空気を読む若年世代の息苦しさ

・4 孤立不安とSNS依存

◆3 現代社会における家族関係

■1 前期親子関係:誰が育児を担うのか

・1 性別役割分業と育児不安

・2 男性の育児参加の現状と課題

■2 中期親子関係:「大人になる」過程の変容

・1 晩婚化・未婚化に伴うライフコースの変化

・2 社会状況の変化に伴い複雑化する親子関係


【6 ストレスに対する身体的反応-心身症】

◆1 心身症とは

◆2 心身症の病態

◆3 心身症を有する患者の性格傾向

◆4 心身症の例

■1 過敏性腸症候群

・1 症状

・2 診断,治療と看護

■2 機能性ディスペプシア

・1 症状

・2 診断,治療と看護

■3 気管支喘息

・1 症状

・2 診断,治療と看護

◆5 心身症の患者への看護


【7 家族とその支援】

◆1 家族とは何か

■1 家族の範囲

■2 家族の法律上の役割

・1 家族の法的義務

・2 法整備上の問題点

■3 家族の変遷

・1 世帯規模の変化

・2 家族機能の変化

・3 危機を転換の好機ととらえる

◆2 家族をみる視点

■1 ジェノグラム

■2 システムとしての家族

■3 家族療法とさまざまな家族モデル

・1 多世代家族療法

・2 構造派家族療法

・3 体験的家族療法

・4 コミュニケーションモデル

・5 新しい考え方

■4 家族の機能評価

◆3 家族の課題

■1 配偶者選択と配偶者間暴力

・1 配偶者選択

・2 配偶者間暴力

■2 子育てと児童虐待

・1 少子化

・2 児童虐待

・3 その他の問題点

3 高齢者の介護と関連する問題

・1 人口の高齢化

・2 家族の介護力の低下

◆4 精神疾患と家族

■1 精神疾患に罹患した患者とその家族の関係

・1 精神疾患の原因が家族であるとする説

・2 家族のありかたが精神疾患の経過に悪影響を与える場合

・3 家族が精神疾患の犠牲者である場合

・4 精神疾患の治療の協力者としての家族

■2 家族によくみられる状況とその支援

・1 孤立化

・2 病状に対する理解困難

・3 患者への接し方に対する戸惑い

・4 患者との対立

■3 家族の役割と家族のリカバリー

・1 家族の役割

・2 家族のリカバリー


【8 嗜癖と依存】

◆1 依存のとらえ方

・1 嗜癖

・2 依存

◆2 嗜癖の病

・1 本人より先に周りの人が困る病

・2 依存症への誤った認識

◆3 アルコール依存症(アルコール使用障害)

■1 アルコール依存症とは

■2 患者へのアプローチ

■3 家族への援助

◆4 薬物依存症

■1 薬物依存症とは

■2 患者へのアプローチ

◆5 その他の依存症

■1 ギャンブル依存症(ギャンブル障害)

■2 ゲーム障害

■3 クロスアディクション


【9 看護の倫理と人権擁護】

◆1 精神科医療におけるアドボカシーの必要性

■1 看護の倫理とアドボカシー

■2 インフォームドコンセント

■3 精神科医療における医療行為の特殊性

◆2 生活の場としての治療環境

■1 保護室の考え方

■2 倫理的視点からみた閉鎖病棟

■3 生活の場としての環境を整える

◆3 さまざまな拘束のかたちと看護師による関わり

■1 身体的拘束と患者のケア

■2 見えないかたちでの心理的な拘束

■3 その人らしさを奪う化学的拘束

◆4 援助者・被援助者のあるべき関係

■1 保護と自己決定尊重のバランス

■2 患者の秘密を守る義務(守秘義務)

■3 私的な関係にならないこと

◆5 地域生活における権利擁護

■1 精神障害者の地域生活と障害者総合支援法

・1 障害者自立支援法の施行に伴う事業・制度の変更

・2 障害者自立支援法から障害者総合支援法へ

■2 地域で暮らす障害者に対する権利侵害

■3 権利擁護のための制度


【10 精神医療の歴史と看護】

◆1 古代から中世までの精神医療

■1 精神病のとらえ方

・1 悪魔や悪霊,憑物によるものという考え方

・2 精神病を病気としてとらえる考え方

◆2 鎖からの解放とモラルトリートメント

■1 ヨーク・リトリート創設(イギリス)

■2 医師ピネルと看護師ピュサンの取り組み(フランス)

■3 モラルトリートメント(モラル療法)の実践

◆3 近代の精神医療

■1 近代精神医学の確立

・1 生物学的精神医学

・2 心理学的精神医学

■2 アメリカの精神医療改革運動

■3 日本の近代化と精神医療行政

◆4 20世紀の精神医療

■1 身体主義的な考え方

■2 身体療法の誕生

■3 心理主義的な考え方と精神療法の発展

■4 社会精神医学的な考え方:病院から地域へ

・1 治療共同体

・2 反精神医学運動

・3 精神科看護教育の始まりと理論家の輩出

◆5 日本の20世紀の精神医療

■1 呉秀三の病院改革

■2 作業療法の始まり

■3 優生思想の広がり

■4 戦中戦後の精神科医療

■5 私宅監置からの解放と入院偏重

■6 患者の人権擁護と社会復帰促進

■7 精神障害者に対する福祉施策の展開


【11 精神保健医療福祉をめぐる法律】

◆1 精神保健医療に関わる法制度の変遷

■1 精神科医療の法的な始まり

■2 呉秀三による患者調査と精神病院法制定

■3 精神衛生法制定と精神科病院の大増設

・1 精神衛生法の制定

・2 精神病床の増加

■4 ライシャワー事件と精神衛生法改正

・1 脱施設化,地域ケアへの転換

・2 精神衛生法の改正

・3 患者家族団体の結成と社会復帰施設の開設

■5 宇都宮病院事件と精神保健法の成立

・1 宇都宮病院事件

・2 精神保健法の成立

・3 日本の精神科医療に対する国際的な圧力

■6 精神保健法から精神保健福祉法への改正

・1 障害者としての位置付け

・2 精神保健法から精神保健福祉法へ

■7 精神科医療と福祉との合流

・1 高齢者や障害者を地域で支える

・2 看護師の担う役割

・3 精神障害者のケアマネジメント

■8 「障害者自立支援法」から「障害者総合支援法」へ

・1 障害者自立支援法成立の経緯

・2 障害者自立支援法の特徴

・3 サービス提供開始後の課題

・4 障害者総合支援法へ:共生社会の実現に向けて

◆2 精神保健福祉法の基本的な考え方

■1 精神科医療の現状

■2 精神保健指定医の役割

■3 2013年の改正内容

◆3 精神保健福祉法による入院形態と入院患者の処遇

■1 入院形態

・1 任意入院

・2 措置入院

・3 緊急措置入院

・4 医療保護入院

・5 応急入院

■2 入院患者の処遇:行動制限と人権擁護

・1 隔離

・2 身体的拘束

・3 通信・面会

・4 制限してはならないもの


【12 ストレスマネジメントと精神科における看護師の役割】

◆1 看護師のストレスマネジメント

■1 看護師とストレス

・1 燃え尽き症候群(バーンアウト)

・2 感情労働による影響

・3 共感疲労による影響

・4 青年期のアイデンティティーの混乱(アイデンティティークライシス)

・5 リアリティーショック

■2 精神科で働く看護師のストレス

・1 長期入院患者をケアすること

・2 精神科急性期治療病棟で働く看護師のストレス

・3 巻き込まれ(involvement)

■3 自分のストレスに気付くこと

■4 ストレスマネジメントの方法

・1 ストレッサーに働きかける

・2 ストレッサーに対する認知のしかたに働きかける

・3 心理的反応・身体的反応に働きかける

◆2 精神看護にかかわる資格認定

■1 専門看護師

・1 精神看護専門看護師

・2 リエゾン精神看護専門看護師

■2 専門看護師の活動の実際

・1 実践(直接ケア)

・2 相談(コンサルテーション)

・3 調整

・4 倫理調整

・5 教育

・6 研究

■3 認定看護師

・1 認知症看護認定看護師

・2 救急看護認定看護師あるいはクリティカルケア認定看護師

■4 日本精神科看護協会の精神科認定看護師


・資料1 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(抄)

・資料2 国連決議「精神疾患を有する者の保護及びメンタルヘルスケアの改善のための諸原則」(1991年)

・看護師国家試験出題基準(令和5年版)対照表

・索引