発行 : 2024年1月
サイズ : B5判 224頁
ISBN-10 : 4-8404-8157-1
ISBN-13 : 978-4-8404-8157-1
商品コード : 308014145
在庫 : 在庫あり(申込可)
看護基礎教育テキスト 改訂
ナーシング・グラフィカ
健康支援と社会保障(1):健康と社会・生活 第6版
発行 : 2024年1月
サイズ : B5判 224頁
ISBN-10 : 4-8404-8157-1
ISBN-13 : 978-4-8404-8157-1
商品コード : 308014145
在庫 : 在庫あり(申込可)
●大きく変動する現代社会のなかで、患者の生活を理解するためには看護職としての「ビジョン」が必須であることが強く意識できる1冊です。健康教育などで重要となる社会的な健康、科学からとらえた健康行動についての解説も充実しています。
●学生自身を含めた「個人の生活」から、集団・組織、家族、地域社会、国際社会へと、円を大きくするように視点を拡げていきます。教科書を学び終わるころには、人の生活について、その人を取り巻く周辺の環境・社会全体まで含めて考えられるようになることを目指した構成となっています。
●第7章・第11章で、人々の生活・健康と切り離せない経済状況(健康格差)、労働環境、情報行動について解説します。11章では、情報技術の発展による受診・療養環境の変化にも焦点をあて、患者の生活を紹介しています。
●対立や葛藤、紛争といったコンフリクトを、協調、協働へと発展させる方法や提案を第4章「個人および集団における対立と協働」で解説しています。
●第12章には、生殖医療技術や遺伝子診断、再生医療、そして臓器移植と延命治療という、生命科学の進展により新たに登場した技術と人間性の調和を考えるページを収載しています。
2,970 円(税込)
目次
【ARコンテンツ】
●「自助の精神」セルフヘルプグループ~全国心臓病の子どもを守る会~〈動画〉
●テレワークに関わる健康管理〈アニメーション〉
●ドメスティック・バイオレンス~医療機関でできること〈動画〉
●ケア機能とジェンダー〈動画〉
●様々なライフスタイル〈動画〉
●地域における高齢者の社会参加〈動画〉
●外国人が受診するとき〈動画〉
●遠隔看護―テレナーシング〈動画〉
●検索方法の種類〈アニメーション〉
●着床前診断と出生前診断〈動画〉
・はじめに
・本書の特徴
・図解 本書の使い方
【序章 看護と生活・社会と社会保障】
■1 健康・社会を念頭に置いたしくみの再構築
・1 全世代型社会保障の構築
■2 これから看護職を目指す者への期待
第1部 社会と生活者
【1 社会】
◆1 「社会」を学ぶのは現場でのより良い実践のため
■1 「社会」の意味,「人間」の意味
■2 自分も他者も互いが力を発揮できる協働のために
・1 自他の「色眼鏡」(異なる信念)の違いを知る
・2 「良い・悪い」評価はいったん脇に置く
◆2 社会の構造を理解する
■1 役割に注目する
・1 役割とは
・2 役割がもたらす秩序
・3 役割の相互連関による社会の構造の成立
・4 「期待外れ」により顕在化する期待
・5 期待外れへの二つの対応
■2 合理性と非合理性
・1 非合理に支えられた社会
・2 非合理にみえる行動を合理的なものとして理解する
・3 準拠集団
◆3 社会現象の機能を理解する
■1 どのように「役に立っているか」
■2 機能の二つの軸
・1 順機能と逆機能
・2 顕在的機能と潜在的機能
■3 逆機能の例
・1 医療の現場でみられる逆機能の例
■4 潜在的機能の例
・1 デュルケムが見いだした潜在的機能
・2 現代社会でみられる潜在的機能
■5 潜在的逆機能の例
■6 潜在的機能を顕在化させる(社会運動)
◆4 戦後の日本社会の諸特徴
・1 戦後から1990年代半ばごろ
・2 1990年代半ば以降
◆5 現代社会はどのような社会か
■1 専門分化
■2 個人化
■3 社会的排除
■4 リスクの増大
■5 再帰性
■6 連携・ネットワーク化
◆6 現代社会の課題に看護はどう対応するか
【2 生活と生活者】
◆1 日常生活と日常性
■1 個人の生活
・1 個人の生活を理解する
・2 日常生活とは
・3 日常性のとらえ方
■2 日常生活を構成するもの
・1 生活を成り立たせるもの:場所・時間
・2 日常生活・日常性の意義
■3 日常生活と健康問題
◆2 多面的な日常生活のとらえ方
■1 生活構造のとらえ方
・1 生活時間
・2 生活水準
・3 生活関係
・4 生活空間・生活環境
・5 生活習慣・風習
■2 生活する力・機能でのとらえ方
・1 日常生活機能評価
・2 国際生活機能分類:ICF
◆3 生活の諸相と生活の理論
■1 生活の諸相とその理論化の試み
・1 生活と三つの水準
・2 幸福な生活
■2 生活を考えるさまざまな理論
◆4 QOL
■1 Life:生命・生活・人生
■2 QOLは主観的でより良く生きるためのアート
■3 現代医療の文脈におけるQOL概念の出現の意義
・1 QOLを評価する五つのアプローチ
・2 生活で一番大切なものとしてのQOL
■4 QOLの定義と領域
■5 医学的臨床評価からQOL,HRQOLへ
■6 QOLと専門家の倫理的な責任
◆5 ライフスタイル・ライフコース・ライフステージ
■1 ライフスタイル
・1 ライフスタイルとは
■2 ライフステージとライフコース
・1 ライフステージの区分
・2 ライフステージ・ライフコースの違い
■3 ライフスタイルが重視されてきた背景
・1 疾病構造の変化
・2 疫学研究の進展
・3 マスメディアの影響
◆6 対象者の生活の理解と把握
■1 対話での理解
■2 文脈のある事柄としての理解と把握
■3 生活からうかがえる健康観や将来への期待
■4 家庭や学び舎,働く場での生活の理解と把握
■5 生活を振り返ることで生まれるパワー
◆7 保健医療専門職の生活をとらえる姿勢
【3 集団・組織】
◆1 構成員としての個人
◆2 集団
■1 集団の定義
・1 心理的集団
・2 タスク集団
◆3 組織
■1 公式組織の定義
・1 集団が組織になるとき
■2 組織の参加者
■3 組織のかたち
・1 組織の構造
■4 組織と内部集団の関係
・1 対立
・2 対立への対処
◆4 これからの集団と組織
■1 コンプライアンス
■2 専門職による協働
■3 仮想空間上での協働
・1 テレワーク
・2 メタバース・分身ロボット
◆5 病院組織
■1 法的な位置付け
・1 医療法
・2 診療報酬
■2 組織としての目的と病院組織
・1 規範的組織としての病院
・2 組織にとっての利益
■3 組織の目的と専門職の志向性
・1 専門性・個別性と組織としての目的・目標
・2 チームでの取り組みと患者への関わり
■4 問題発見・問題形成能力の開発
■5 組織の人間化
・1 協働するための課題
・2 私たちに〈なる〉・組織の人間化
【4 個人および集団における対立と協働】
◆1 さまざまなレベルでの対立・葛藤・紛争:コンフリクト
◆2 なぜ対立や葛藤(コンフリクト)は起きるのか
■1 利害の対立
■2 負の感情による対立
■3 認知や価値観の違いによる対立
■4 加害・被害関係
■5 力の差による抑圧や構造的暴力
◆3 対立から協働へ:建設的な対立・葛藤解決の方法
■1 対立の裏にある当事者のニーズを聞こう
■2 敵は自らの望みを映す鏡かもしれない
■3 起こった悲劇と痛みの裏にある願いに耳を傾ける
■4 対立や葛藤からの学びを生かす組織的な取り組み
◆4 さまざまな対話の方法
■1 サークルプロセス(円座対話法)
■2 メディエーション(ファシリテーター付き対話)
◆5 保健・医療・福祉の現場におけるコンフリクト
■1 職場でのコンフリクト
■2 医療事故などをめぐる「患者や家族」と「医療者・病院」のコンフリクト
■3 地域医療での専門職種間の意見の相違によるコンフリクト
■4 患者の家族成員間のコンフリクト
■5 社会保障制度設計における世代間コンフリクト
第2部 健康
【5 社会的な健康】
◆1 健康とは:WHOの健康の定義
◆2 社会的健康とは
■1 社会的に良好な状態とその支援
■2 社会的な健康を保つことは地域への貢献:ソーシャルキャピタル
■3 社会的な健康を裏付ける研究
■4 社会的な健康と国連が提示した開発目標
■5 健康を規定する社会的決定要因
◆3 人々の安全・安寧が保障される社会
【6 科学からとらえた健康行動:ヘルスプロモーション時代の中で】
◆1 ヘルスプロモーション時代の到来
■1 ヘルスプロモーションとは何か
■2 ヘルスプロモーションの理解のために
■3 ヘルスプロモーション活動モデル
■4 NUTSHELL理論
■5 Precede-Proceedモデル
■6 リスクファクター探しからハッピネスファクター探しへの転換
・1 健康の定義は人それぞれである
・2 リスクファクターとハッピネスファクター
・3 ヘルスプロモーションの位置付け
◆2 行動科学とは
■1 行動科学と行動
■2 行動の成立と変化のメカニズム
・1 行動の成立
・2 行動変容
◆3 行動の理解を助ける基本理論とモデル
■1 社会的学習理論
■2 段階的行動変容モデル
■3 理由付けされた行動の理論
■4 場の理論
■5 認知的不協和理論
■6 イノベーション普及モデル
■7 ソーシャルマーケティングモデル
◆4 健康行動の理解を助ける理論とモデル
■1 アセスメント(対象理解)の理論
・1 保健信念モデル
・2 保健感覚モデル
・3 保健規範モデル
・4 ヘルスアクションモデル
・5 セルフケアモデル
・6 コンプライアンス理論
・7 コヒアレンス感理論
・8 沈黙のスパイラル理論
◆5 集団の中での人の行動特性
■1 グループダイナミクス
・1 グループダイナミクスを生かす話し合いの場
・2 フォーマル・インフォーマルな集団
■2 集団凝集性
■3 同調
■4 準拠枠
■5 ソシオメトリー
◆6 保健・医療領域にみられる小集団の特徴:機能・効用
■1 小集団
■2 ファシリテーション
■3 ファシリテーターのスキル
■4 パーソンセンタード・アプローチ
◆7 集団の形成と発展過程
■1 集団の形成過程とは
■2 集団形成でのファシリテーション
■3 地域での健康づくりと場
・1 つながる場
・2 深まる場
・3 生まれる場
・4 広がる場
第3部 社会の変化と健康
【7 社会経済の変化と健康】
◆1 社会経済構造の変化:前近代から産業革命,情報革命を経た今日
■1 個人生活と社会生活
■2 社会の変化の流れ
■3 情報化とライフスタイル
◆2 ライフスタイル・社会経済と健康格差
■1 ライフスタイルと社会経済的地位
■2 ライフスタイルの違いで生じる健康格差
■3 ライフチャンスとライフチョイス
◆3 働き方(労働生活)と健康
■1 仕事,労働とその変化
・1 働く,仕事,労働とは
・2 近代化・工業化による労働,職場の変化
・3 IT化社会における労働と職場の変化
■2 労働生活と健康格差
【8 家族と健康】
◆1 家族とは何か
◆2 変容する社会と家族
■1 少子高齢化の進行
・1 少子化の動向
・2 社会の発展と少子化問題
・3 諸外国の状況
・4 高齢化の動向
■2 家族形態の変化
・1 世帯規模の変化
・2 世帯構成の変化
◆3 家族のケア機能
■1 子育てと家族
・1 外部人材による子育て
・2 母親による子育て
・3 女性の社会進出と共働き
■2 高齢者介護と家族
・1 高齢者世帯
・2 介護者
■3 ケア機能の社会化をめぐる課題
・1 介護の課題
・2 子育ての課題
・3 課題への対応
■4 ライフサイクルとライフコース
・1 家族周期研究
◆4 ライフステージでみる家族の課題
■1 乳幼児期
・1 愛着(アタッチメント)
・2 不適切な養育
■2 児童期
・1 親子関係と学校生活
・2 学習と経済格差
■3 青年期
■4 成人期
・1 ワーク・ライフ・バランス
・2 二つの家族でのバランス
■5 中年期
・1 両親の介護
・2 子どもの独立と家族関係の再構築
■6 高齢期
・1 親子関係と高齢期の主観的幸福
・2 自分(たち)の介護
・3 死の状況
◆5 多様化する家族
■1 ひとり親家族
・1 ひとり親家族の状況
・2 ひとり親家族への支援
・3 ひとり親への偏見と地域社会
■2 離婚
・1 子どもへの影響
■3 ステップファミリー
・1 ステップファミリーの課題
・2 離婚から再婚までの変化
◆6 家族のこれから
【9 地域社会と健康】
◆1 なぜ地域社会が重要なのか
■1 地域社会に対する期待とその社会的背景
・1 地域社会のさまざまなスケール
・2 サービス・資源の獲得
・3 相互扶助の役割への期待
■2 地域社会への期待と地域包括ケアシステム
■3 地域共生社会
◆2 地域社会の変容とコミュニティ
■1 地域コミュニティ
■2 コミュニティの解体と地域からの解放
■3 パーソナルネットワークとソーシャルキャピタル
・1 パーソナルネットワークとソーシャルサポート
・2 地域コミュニティへの期待
・3 ソーシャルキャピタルの可能性
■4 孤独・孤立をめぐる課題と対策
・1 孤独・孤立
・2 孤独・孤立対策
■5 地域集団の諸相
・1 地域コミュニティの組織
■6 コミュニティ形成の方法と今後の展望
・1 コミュニティをつくる
・2 コミュニティソーシャルワーク
・3 地域社会とコミュニティの今後
【10 国際社会と健康】
◆1 現代の国際社会:グローバリゼーション
■1 絶え間なく変化する国際情勢と日本
■2 国際社会の基本的な考え方
◆2 グローバリゼーションの諸相:モノ・カネ・ヒト・情報の越境
■1 国境を越えるモノ
■2 国境を越えるカネ
■3 国境を越えるヒト
■4 国境を越える情報
■5 グローバリゼーションの負の側面
◆3 グローバリゼーションについての解釈
■1 ネオリベラリズムとその反動
■2 グローバリゼーションと市民社会
・1 グローバルコンパクトの発足
・2 市民社会組織の発展
■3 グローバリゼーションについての留意点
◆4 日本における外国人材の受け入れ
■1 EPAに基づく外国人看護師・介護福祉士候補生の受け入れ
■2 背景としての高齢社会
■3 外国人材の受け入れをめぐる近年の政策展開
◆5 多文化化する社会への理解
■1 世界の人口動態
・1 先進国における人口動態
・2 開発途上国における人口動態
■2 文化の多様性とそれに伴う対立
・1 国境を越えるもの
・2 グローバリゼーションの時代に生きるということ
◆6 SDGs
■1 MDGsからSDGsへ
■2 日本における取り組み
■3 SDGsと経済活動
◆7 ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)
■1 UHCの考え方と国際社会の取り組み
・1 UHCとは
・2 国際社会の取り組み戦略
■2 世界のUHC推進における日本の貢献
■3 国際社会のUHC推進における看護の役割
【11 情報社会の発展と健康】
◆1 情報技術と社会
■1 情報技術の発展の歴史
・1 コンピューター・インターネットの誕生
・2 日本でのインターネットの普及
■2 情報技術の発展と情報の共有がもたらしたもの
・1 情報技術・情報共有の恩恵
・2 情報技術・情報共有の課題
■3 情報技術と医療・看護に関する法
◆2 医療の世界における情報技術の活用の諸相
■1 医療の世界における情報技術の応用例
■2 糖尿病臨床における情報技術の活用
・1 Bさんの1日
◆3 人々の情報行動・情報技術の活用のあり方
■1 情報行動の実態と情報化の負の側面
・1 うわさ話・流言
・2 バイアス(偏り)
・3 デジタルデバイドと健康格差
■2 高齢者の情報行動
◆4 現代の看護師に求められるメディアリテラシー
■1 検索のためのテクニック
・1 ドメイン指定検索
■2 有用なWebサイト
■3 信頼できないWebサイト
■4 医療マンガ
■5 医療者の情報技術への関わり方
【12 生命倫理と健康】
◆1 医療技術の発展と生命倫理
■1 生命倫理学の誕生とその背景
■2 生命倫理学の確立
・1 ビーチャムとチルドレスの倫理原則
・2 フライとジョンストンの倫理原則
◆2 生殖医療技術の発展と生命倫理:着床前診断
■1 試験管ベビーの誕生と生殖医療技術の発展
■2 着床前診断
■3 デザイナーベビー
■4 「いのちの選別」に対する各国の対応
◆3 生殖医療技術の発展と生命倫理:出生前診断
■1 出生前診断
・1 出生前診断の目的
・2 普及の背景
■2 新型出生前診断
◆4 発症前遺伝子診断の発展と生命倫理
■1 発症前遺伝子診断にまつわる生命倫理の課題
■2 ヒトゲノム・プロジェクトと生命倫理
◆5 再生医療の発展と生命倫理
■1 再生医療にまつわる生命倫理の課題
■2 iPS細胞による再生医療と生命倫理
◆6 臓器移植と生命倫理
■1 臓器移植にまつわる生命倫理の課題
■2 小児の臓器移植と生命倫理
■3 移植医療を支える人材育成
◆7 延命治療と生命倫理
■1 終末期医療としての延命治療
■2 尊厳死と生命倫理
・看護師国家試験出題基準(令和5年版)対照表
・索引