健康支援と社会保障(1):健康と社会・生活 第5版
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発行 : 2023年1月

サイズ : B5判 212頁

ISBN-10 : 4-8404-7835-X

ISBN-13 : 978-4-8404-7835-9

商品コード : 308014144

在庫 : 在庫なし(申込不可)

看護基礎教育テキスト

ナーシング・グラフィカ

健康支援と社会保障(1):健康と社会・生活 第5版

発行 : 2023年1月

サイズ : B5判 212頁

ISBN-10 : 4-8404-7835-X

ISBN-13 : 978-4-8404-7835-9

商品コード : 308014144

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●大きく変動する現代社会のなかで、患者の生活を理解するためには看護職としての「ビジョン」が必須であることが強く意識できる1冊です。社会的な健康、科学からとらえた健康行動についての解説も充実しています。

●個人の生活、家族といったミクロ的な視点、そして集団・組織、地域社会、グローバリゼーションと社会といったマクロ的な視点を順序立てて学べるよう章構成を工夫しています。

●対立や葛藤、紛争といったコンフリクトを、協調、協働へと発展させる方法や提案を第6章「個人および集団における対立と協働」で解説しています。

●第9章「生命倫理」には、生殖医療技術や再生医療、遺伝子診断、そして臓器移植と延命治療という、生命科学の進展により新たに登場した技術と人間性の調和を考えるページを収載しています。

●医療・保健のみならず、福祉・労働・住居・都市開発(まちづくり)などの分野において、看護職の活躍が期待され、またその機会が広がっていることが理解できる内容となっています。

「はじめに」
「シラバス・授業計画案」
旧版はこちら

著者

宮崎県立看護大学学長 平野 かよ子 編集

明星大学名誉教授 渡戸 一郎 編集

2,970 円(税込)

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目次

【ARコンテンツ】
●様々なライフスタイル〈動画〉
●ケア機能とジェンダー〈動画〉
●ドメスティック・バイオレンス~医療機関でできること〈動画〉
●「自助の精神」セルフヘルプグループ~全国心臓病の子どもを守る会~〈動画〉
●地域における高齢者の社会参加〈動画〉
●外国人が受診するとき〈動画〉
●着床前診断と出生前診断〈動画〉

・「メディカAR」の使い方
・はじめに
・本書の特徴

【序章 看護と生活・社会との関わり】
1 健康・社会を念頭に置いたしくみの再構築
2 看護と社会情勢の変化
3 看護が対象とする人々の生活と社会

【1 社会】
■1 私たちはいま,どこにいるのか
■2 「社会」の意味
■3 人間は社会の中で人間になる
・相互依存主義の教育
■4 社会の成り立ち:個人-集団-社会
1 個人間の社会関係
2 集団
3 社会的なレベル
■5 伝統社会と近代社会
1 伝統社会
2 近代社会
■6 現代社会の特徴と社会変動
1 脱工業化
2 大衆消費社会から高度消費社会へ
3 都市化
4 高齢化
5 グローバル化
6 リスク社会化
7 私たちはどこに向かっているのか

【2 個人の生活の理解】
■1 日常生活と日常性
1 個人の生活
(1)個人の生活を理解する(2)日常生活とは(3)日常性のとらえかた
2 日常生活を構成するもの
(1)生活を成り立たせるもの:場所・時間(2)日常生活・日常性の意義
■2 日常生活と健康問題
■3 多面的な日常生活のとらえ方
1 生活構造のとらえ方
(1)生活時間(2)生活水準(3)生活関係(4)生活空間・生活環境(5)生活習慣・風習
2 生活機能:日常生活機能評価
■4 対象者の生活の理解と把握
1 対話での理解
2 文脈のある事柄としての理解と把握
(1)生活からうかがえる健康観や将来への期待(2)生活を振り返ることで生まれるパワー
■5 保健医療専門職の生活をとらえる姿勢
■6 生活の諸相と生活の理論
1 個人生活と社会生活
2 生活の諸相とその理論化の試み
3 生活の水準・関係・空間・時間・様式
■7 ライフスタイル・生活様式と保健・医療・看護
1 ライフスタイルと社会経済
(1)ライフスタイルとは(2)ライフスタイルの違いで生じる健康格差(3)労働環境と健康格差
2 ライフチャンスとライフチョイス
3 ライフスタイルが重視されてきた背景
(1)疾病構造の変化
(2)ライフスタイルの疫学研究の進展
・感染症
(3)マスメディアの影響
■8 保健・医療・看護とQOL
1 Lifeとは生命・生活・人生
2 QOLは主観的でより良く生きるためのアート
3 アメリカ社会におけるQOL概念の変遷とその時代背景
(1)WHOの定義(1940~50年代)(2)貧困に対する闘い(1960年代)(3)「大きな政府」から「小さな政府」へ(1970年代)(4)患者の権利重視の時代へ(1980年代〜)
4 現代医療の文脈におけるQOL概念の出現の意義
5 QOLの展開の基礎となる五つのアプローチ
(1)心理学的アプローチ(2)時間の取引と有用性アプローチ(3)Community-centeredアプローチ(4)普通の生活への再統合アプローチ(5)ギャップアプローチ
6 QOLの定義と領域
7 生活で一番大切なものとしてのQOL
8 医学的臨床評価からQOL,HRQOLへ
9 QOLと専門家の倫理的な責任

【3 家族】
■1 家族の現在
1 いま,家族に生じていること
2 近代家族の成立と終焉
3 家族の個人化と多様化
■2 ライフコースの変化と家族
1 ライフサイクルとライフコース
2 少子高齢社会とライフコース
3 女性のライフコースの変化
■3 ライフステージでみる家族の課題
1 ライフステージの設定
2 ライフステージと家族の課題
(1)乳幼児期(2)子ども期(児童期)(3)青年期(4)成人前期(5)成人後期(中年期)(6)老年期
■4 家族のケア機能
1 ケア機能とジェンダー
2 育児機能
・親になるための教育(オーストラリア)
3 介護機能
4 ケアの社会化
■5 家族のこれから

【4 社会的な健康】
■1 健康とは:WHOの健康の定義
■2 社会的健康とは
1 社会的に良好な状態
2 社会的な健康に関する研究
■3 社会的な健康:ソーシャルキャピタル
■4 安全・安寧が保障される社会
■5 ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)
1 基本的考え方と提唱の経緯
2 包括的保健システムとしてのUHC
3 世界のUHC構築における日本の貢献
4 世界のUHC構築における看護の役割

【5 集団・組織】
■1 集団
1 人間と集団
2 集団の定義と分類
3 集団の形成過程
4 小集団
■2 フォーマルな組織:官僚組織
1 官僚組織の特徴
2 日本の企業組織
3 組織における規範
4 官僚組織の課題
5 ネットワーク組織
■3 インフォーマルな組織:非官僚組織
1 非官僚組織としてのボランタリーアソシエーション
2 ボランティアグループ
3 セルフヘルプグループ
4 NPOとNGO
5 市民セクター
6 新たな公共・協働
■4 病院組織
1 法的な位置付け
2 組織としての目的と病院組織
(1)規範的組織としての病院(2)組織にとっての利益
3 組織の目的と専門職の志向性
(1)専門性・個別性と組織としての目的・目標(2)チームでの取り組みと患者への関わり
4 問題発見・問題形成能力の開発
5 組織の人間化
(1)協働するための課題(2)私たちに〈なる〉・組織の人間化

【6 個人および集団における対立と協働】
■1 さまざまなレベルでの対立・葛藤・紛争:コンフリクト
■2 なぜ対立や葛藤(コンフリクト)は起きるのか
1 利害の対立
2 負の感情による対立
3 認知や価値観の違いによる対立
4 加害・被害関係
5 力の差による抑圧や構造的暴力
・暴言・暴力からみえる社会問題
■3 対立から協働へ:建設的な対立・葛藤解決の方法
1 対立の裏にある当事者のニーズを聞こう
2 敵は自らの望みを映す鏡かもしれない
3 起こった悲劇と痛みの裏にある願いに耳を傾ける
4 対立や葛藤からの学びを生かす組織的な取り組み
・対立・葛藤・紛争(コンフリクト)解決のいくつかの考え方
■4 保健・医療・福祉の現場におけるコンフリクト
1 職場でのコンフリクト
2 医療事故などをめぐる「患者や家族」と「医療者・病院」のコンフリクト
3 地域医療での専門職種間の意見の相違によるコンフリクト
4 患者の家族成員間のコンフリクト
5 社会保障制度設計における世代間コンフリクト

【7 地域社会】
■1 地域社会の再発見:なぜ地域社会なのか
1 地域社会の多様な広がり
2 希薄化する地域社会の存在
3 地域社会の再発見
■2 地域社会の変動とコミュニティ問題
1 コミュニティとアソシエーション
2 コミュニティの解体
3 コミュニティの一次的関係の再発見
4 コミュニティ解放論
■3 人々の地域社会との関わり
1 地域性の再生産
・近隣型商店街
2 自治体としての地域社会
■4 社会的ネットワークとその意義
1 パーソナルネットワーク
2 サポートネットワーク
3 ソーシャルキャピタル
■5 地域集団の諸相
1 地域包括的集団の活動
2 個別課題に取り組むボランタリー集団の活動
■6 コミュニティ形成とその諸課題
1 コミュニティ形成の課題化
2 コミュニティ政策の展開
3 近隣住区論
4 コミュニティ政策の問題点
5 まちづくり運動論への展開

【8 グローバリゼーションと社会】
■1 現代の国際社会:グローバリゼーション
1 絶え間なく変化する国際情勢と日本
2 国際社会の基本的な考え方
■2 グローバリゼーションの諸相:モノ・カネ・ヒト・情報の越境
1 国境を越えるモノ
2 国境を越えるカネ
3 国境を越えるヒト
4 国境を越える情報
■3 グローバリゼーションについての解釈
1 ネオリベラリズムとその反動
2 グローバリゼーションと市民社会
3 グローバリゼーションについての留意点
■4 TPP交渉における日本の課題
1 TPPとは
2 TPPのメリットとデメリット
■5 日本における外国人の受け入れ
1 EPAに基づく外国人看護師・介護福祉士候補生の受け入れ
2 背景としての高齢社会
3 外国人の受け入れをめぐる近年の政策展開
■6 多文化化する社会への理解
1 世界の人口動態
(1)先進国における人口動態(2)開発途上国における人口動態
2 文化の多様性とそれにともなう対立
(1)国境を越えるもの(2)グローバリゼーションの時代に生きるということ

【9 生命倫理】
■1 生命倫理とは
1 生命倫理学の誕生とその背景
2 生命倫理学の確立
■2 生殖医療技術の発展と生命倫理:着床前診断
1 試験管ベビーの誕生と生殖医療技術の発展
2 着床前診断
3 デザイナーベビー
4 「いのちの選別」に対する各国の対応
■3 生殖医療技術の発展と生命倫理:出生前診断
1 出生前診断
2 新型出生前診断
■4 発症前遺伝子診断の発展と生命倫理
1 発症前遺伝子診断にまつわる生命倫理の課題
2 ヒトゲノム・プロジェクトと生命倫理
■5 再生医療の発展と生命倫理
1 再生医療にまつわる生命倫理の課題
2 iPS細胞による再生医療と生命倫理
■6 臓器移植と生命倫理
1 臓器移植にまつわる生命倫理の課題
2 小児の臓器移植と生命倫理
3 移植医療を支える人材育成
■7 延命治療と生命倫理
1 終末期医療としての延命治療
2 尊厳死と生命倫理

【10 科学からとらえた健康行動】
■1 行動科学とは
1 行動科学と行動
2 行動の成立と変化のメカニズム
(1)行動の成立(2)行動変容
■2 行動の理解を助ける基本理論とモデル
1 社会的学習理論
2 段階的行動変容モデル
3 理由づけされた行動の理論
4 場の理論
5 認知的不協和理論
6 イノベーション普及モデル
7 ソーシャルマーケティングモデル
■3 健康行動の理解を助ける理論とモデル
1 アセスメント(対象理解)の理論
(1)保健信念モデル(2)保健感覚モデル(3)保健規範モデル(4)ヘルスアクションモデル(5)セルフケアモデル(6)コンプライアンス理論(7)コヒアレンス感理論(8)沈黙のスパイラル理論
2 働きかけ(援助)の理論
(1)ヘルスプロモーション活動モデル(2)NUTSHELL理論(3)保護−動機付け理論(4)問題−行動理論(5)Precede-Proceedモデル
■4 リスクファクター探しからハッピネスファクター探しへの転換
1 健康の定義は人それぞれである
2 リスクファクターとハッピネスファクター
3 ヘルスプロモーションの位置付け
■5 集団の中での人の行動特性
1 ホーソン研究
2 集団規範
3 同調
4 準拠枠
5 ソシオメトリー
■6 保健・医療領域に見られる小集団の特徴:機能・効用
1 ファシリテーション
2 ファシリテーターのスキル
■7 集団の発展過程
1 集団の発展過程とは
2 地域での健康づくり
(1)つながる場(2)深まる場(3)生まれる場(4)広がる場

◆看護 師国家試験出題基準(令和5年版)対照表
◆索引