成人看護学(2):健康危機状況/セルフケアの再獲得 第2版
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発行 : 2022年1月

サイズ : B5判 368頁

ISBN-10 : 4-8404-7538-5

ISBN-13 : 978-4-8404-7538-9

商品コード : 308010211

在庫 : 在庫あり(申込可)

看護基礎教育テキスト

ナーシング・グラフィカ

成人看護学(2):健康危機状況/セルフケアの再獲得 第2版

発行 : 2022年1月

サイズ : B5判 368頁

ISBN-10 : 4-8404-7538-5

ISBN-13 : 978-4-8404-7538-9

商品コード : 308010211

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●セルフケアという概念を軸に据え、「急激な健康破綻と回復過程にある人々を援助する能力」に必要な知識と支援方法を学びます。

●「健康危機状況」では、自身の健康をセルフケアすることが困難な危機的状況に焦点を当て、個々の「健康観」「健康感」に沿った看護を提示しています。

●「セルフケアの再獲得」では、セルフケア再獲得モデルを提示し、セルフケアが低下した状態にある人の回復に向けた支援を、リハビリテーション看護の視点も踏まえて解説しています。

●さまざまな状況にある患者への看護の実際を、事例を通して学びます。具体的な会話例も紹介しており、実践に生かせる内容になっています。

●『成人看護学概論』『セルフマネジメント』と合わせて学ぶことで、成人のセルフケアについての理解を深め、急性期・回復期・慢性期とも関連づけて学習できます。


「はじめに」

「シラバス・授業計画案」

旧版はこちら

著者

東京医療保健大学千葉看護学部臨床看護学教授 吉田 澄恵 編集

元 三育学院大学教授 鈴木 純恵 編集

日本赤十字北海道看護大学学長 安酸 史子 編集

3,960 円(税込)

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目次

【ARコンテンツ】

●患者のための図書館〈動画〉

●手術室看護〈動画〉

●救命救急治療を必要とする状況〈動画〉

●手術後観察:前半〈動画〉

●手術後観察:後半〈動画〉

●セルフケア再獲得モデル〈動画〉

●透析患者の一例〈動画〉

●創傷・オストミー・失禁(WOC)看護認定看護師〈動画〉

●依存による自立〈動画〉

●脳梗塞患者の看護(失語症)〈動画〉

●関節可動域訓練(ROM訓練)〈動画〉

●食事動作〈動画〉

●右麻痺患者のADL支援〈動画〉

●脊髄(頸髄)損傷患者の更衣〈動画〉

●脳卒中急性期にある人の看護〈動画〉

●脳卒中回復期にある人の看護〈動画〉

●脳卒中家庭復帰期にある人の看護〈動画〉


・はじめに

・本書の特徴


【序章 健康危機状況とセルフケアの再獲得】


第1部 健康危機状況

【1 健康危機状況にある成人の理解と看護】

◆1 健康危機状況にある成人の理解

■1 成人にとっての健康とは

■2 成人にとっての危機とは

・1 危機という言葉

・2 個人の危機

・3 集団の危機と成人の危機状況

■3 成人看護学における健康危機状況

◆2 健康危機状況にある成人に生じるセルフケア不足

■1 五つのセルフケア不足

■2 苦痛の緩和

・1 全人的苦痛として理解する

・2 過去の苦痛体験による影響を考慮する

■3 身体機能悪化の予防と早期発見

・1 医学的知識の不足を補う

・2 本人なりの対応を支える

4 生活行動変更への支援

・1 生活習慣,生活様式の影響を考慮する

・2 医学的な行動制限への対応困難を支える

■5 心理的・精神的混乱への支援

・1 多様な表出を理解する

・2 受け止める

・3 他のセルフケア不足を補う

■6 家族および重要他者の不安や負担への支援

・1 本人の健康危機が不安や負担となる

・2 本人へのケアが家族を支える

◆3 代表的な健康危機状況と看護の特徴

■1 健康危機状況において体験する経過とセルフケア不足

■2 手術等の侵襲的治療を予定して受ける状況

・1 健康危機状況としての特徴

・2 手術を受ける人の体験

・3 手術の意思決定と術前不安への支援

・4 標準的な看護計画の利用

■3 救命救急治療を必要とする状況

・1 健康危機状況としての特徴

・2 救命救急対応による生命の危機回避

・3 発症別対応パターンの習熟と現場対応への精通

■4 集中治療を必要とする状況

・1 健康危機状況としての特徴

・2 生命と非日常における人間の尊厳を守るセルフケア支援

■5 終末期にある状況

・1 健康危機状況としての特徴

・2 回復への可能性を念頭に置いたケア

◆4 健康危機状況における看護者の苦悩と支え合い

■1 健康危機状況における看護者の苦悩

・1 事例:緊急入院患者を担当したある看護師の苦悩

・2 臨床能力の不足を直視する苦悩

・3 物理的制度的課題に関する苦悩

・4 コミュニケーションの不足に関する苦悩

・5 役割葛藤(role conflict)

・6 倫理的ジレンマ(ethical dilemma)

■2 苦悩を抱えていくために


【2 健康危機状況における看護方法の検討】

◆1 苦痛の緩和

■1 健康危機状況における成人の苦痛と「緩和ケア」の必要性

・1 健康危機状況における成人の苦痛

・2 健康危機状況における「緩和ケア」の必要性

■2 コンフォート理論

・1 理論の概要

・2 コンフォート理論の看護実践への適用プロセスと注意点

■3 苦痛のアセスメント方法

・1 初期アセスメント

・2 フローシートの活用

4 苦痛緩和の方法

・1 薬物療法

・2 感覚変調療法

・3 心理的療法

・4 環境管理

◆2 身体機能悪化への対応

■1 身体機能悪化の予期

・1 身体機能の悪化を考える方法

・2 生理的反応による回復

・3 疾患や外傷による病態の進行

・4 治療等による合併症,二次障害

・5 生活行動制限による不使用性症候群

■2 身体機能悪化への対応方法

・1 リスクのアセスメントと予防法の実施

・2 検査結果の把握と観察,モニタリング

・3 早期発見,早期対処のための準備とセルフケア教育

■3 予測性の有無別にみた身体機能悪化への対応方法

・1 身体機能の悪化を予測できる場合

・2 身体機能の悪化を予測できない場合

◆3 生活行動の変更への支援

■1 生活行動とは

・1 成長・発達する人間としての生活行動の変化

・2 生活行動の階層構造

■2 健康状態と「生活行動」の関係

■3 医学的治療で要求される生活行動の制限と生活行動の変化

・1 障害の拡大を予防するための制限(悪化の予防)

・2 治療効果を最大限に高めるための制限

・3 診断・治療に有用な検査結果を得るための制限

・4 手術を含めた治療による機能の変化に伴う制限

・5 全身状態の悪化や機能の低下に伴う制限

■4 生活行動を代行・補完する看護援助

・1 看護援助を導く生活行動のとらえ方

・2 患者が持ち合わせている実行能力の判断

■5 生活行動を代行・補完するものとしてのルート類の管理

・1 ルート類の目的と種類

・2 生活行動を代行・補完するルート類の管理の視点

■6 健康危機状況における生活行動に関する患者教育のポイント

・1 患者教育の方向性

・2 健康危機状況の生活行動に影響する要因

◆4 心理的・精神的混乱への支援

■1 健康危機状況にある人の心理的・精神的状態

・1 健康危機状況にある人の心理的反応

・2 心理的・精神的混乱を引き起こす体験

■2 健康危機状況にある人の心理的・精神的状態のアセスメント

・1 不安の存在および程度を把握する

・2 不安に関連する事柄を把握する

■3 健康危機状況にある人の心理的・精神的安定を図るための看護方法

・1 不安や緊張を緩和する

・2 「その人」自身が不安を克服できるよう援助する

◆5 家族または重要他者の不安や負担への対応

■1 家族または重要他者との関係性

・1 家族というユニットの定義

・2 帰属の特徴や絆の質

■2 家族についてのアセスメント方法

・1 ロイの「適応システムとしての人間」を参考にしたアセスメント法

・2 アセスメントの事例


【3 健康危機状況にある患者の看護】

◆1 病棟入院患者

左尿管腫瘍手術により健康危機状況にある自営業の男性

■ 1 病棟入院患者の健康危機状況

■2 事例で考える病棟入院患者の看護

◆2 緊急入院患者

化膿性脊椎炎で緊急入院を余儀なくされた会社員の男性

■1 緊急入院患者の健康危機状況

■2 事例で考える緊急入院患者の看護

◆3 集中治療室入室患者

慢性閉塞性肺疾患の急性増悪により集中治療室に入室した男性

■1 集中治療室に入室した患者・家族が直面する健康危機状況

■2 事例で考えるICU入室患者へのセルフケア支援

■3 健康危機状況におけるライフサポートテクノロジーの可能性

◆4 訪問看護を利用している患者

肝癌末期でほぼ寝たきりの独居の男性,肺癌で在宅酸素療法を続ける子育て中の女性

■1 訪問看護での健康危機状況

■2 事例で考える訪問看護

・1 独居でも自宅で過ごすことを希望した事例

・2 家庭内役割を全うしようとしている事例

◆5 終末期患者

心不全で終末期にある男性とその家族

■1 終末期患者の健康危機状況の特徴

■2 事例で考える終末期患者の看護

◆6 電話相談者

乳房切除術を受けた女性からの夜間の電話相談

■1 健康危機状況にある患者の電話相談

■2 事例で考える電話相談

■3 電話相談によるトラブル回避と支援の限界

・1 電話相談によるトラブルの回避

・2 電話相談による支援の限界

・3 さまざまな相談方法

◆7 救急搬送患者

急性薬物中毒で救命救急センターに搬送された男性

■1 救急搬送患者の健康危機状況

■2 事例で考える急性薬物中毒患者の看護



第2部 セルフケアの再獲得

【4 セルフケアの低下状態にある成人の理解】

◆1 成人にとってのセルフケア再獲得

セルフケアの低下した大人の理解と看護の視座

■1 成人とセルフケア

■2 成人とセルフケアの再獲得

■3 成人の中途障害者とセルフケアの再獲得

■4 中途障害者のセルフケアの再獲得体験と看護

・1 中途障害者と喪失体験

・2 スピリチュアルケアを含めた全人的看護

・3 中途障害者への支援として並行する二つの課題

・4 学習の困難さとその看護

・5 中途障害者の社会参加における人的・物的・システム・法的環境の整備

■5 セルフケア再獲得モデル

◆2 セルフケアの低下と再獲得

■1 生命維持レベルのセルフケアの低下と再獲得

・1 生命維持機能とセルフケア

・2 セルフケア再獲得支援方法

■2 生活基本行動レベルのセルフケアの低下と再獲得

・1 生活基本行動とセルフケア

・2 セルフケア再獲得支援方法

■3 社会生活レベルのセルフケアの低下と再獲得

・1 社会生活とセルフケア

・2 セルフケア再獲得支援方法

■4 セルフケア再獲得プロセスにおける心理・精神的変化

・1 障害の受容に関連する議論

・2 ありのままのその人を受け止めること

◆3 セルフケアの再獲得と自立

■1 依存と自立の概念

・1 依存とは

・2 自立とは

■2 依存から自立へ:自立の三側面を理解する

■3 依存による自立

■4 セルフケアにおける依存と自立

◆4 セルフケアを再獲得するプロセスにある人の人権擁護

■1 アドボカシーとは

■2 アドボカシーが必要とされる背景

・1 施行制度の方向性

・2 家族形態の変化

■3 セルフケア再獲得の状態にある人の特徴

■4 アドボカシーに関する主な制度

・1 成年後見制度

・2 日常生活自立支援事業

◆5 アドボカシーの視点でみる事例


【5 セルフケア再獲得を必要とする成人への看護】

◆1 セルフケア低下状態のアセスメントと評価

■1 アセスメントと評価

■2 アセスメントの視点

■3 アセスメントの内容と方法

・1 基礎情報

・2 セルフケアのアセスメントの流れ

・3 諸レベルのセルフケアのアセスメント

・4 アセスメントの例

◆2 セルフケア再獲得を支援する看護方法

■1 生命維持レベルのセルフケア再獲得への支援

・1 脳卒中急性期の生命維持レベルのセルフケア

・2 障害の拡大予防と機能回復の促進

・3 二次障害予防のための援助

■2 生活基本行動レベルのセルフケア再獲得への支援

・1 変化したセルフケア能力:運動機能障害によるセルフケア能力の低下

・2 変化したセルフケア能力:高次脳機能障害によるセルフケア能力の低下

・3 変化したセルフケア能力への心理的適応の援助

・4 「できるADL」から「しているADL」へ

■3 社会生活レベルのセルフケア再獲得への支援

・1 家庭生活に関わるセルフケア再獲得に向けた支援

・2 地域生活に関わるセルフケア再獲得に向けた支援

・3 職業生活に関わるセルフケア再獲得に向けた支援

・4 余暇生活に関わるセルフケア再獲得に向けた支援

◆3 セルフケア再獲得を支援する社会システム

■1 セルフケア再獲得を支援する人的システム

・1 医療・福祉関連職種によるチームアプローチ

・2 セルフヘルプグループへの参加

・3 ボランティア活動の活用

■2 セルフケア再獲得を支援する法的システム

・1 医療保険制度

・2 介護保険制度

・3 障害者総合支援法とその活用

・4 難病対策要綱


【6 セルフケア再獲得を目指す成人への看護の実際】

◆1 生命維持レベルのセルフケアの再獲得

脳出血急性期にある人の看護

■1 脳出血の病態と急性期の治療

■2 脳出血急性期における看護

■3 事例で考える脳出血生命維持レベルのセルフケア再獲得支援

◆2 生活基本行動レベルのセルフケアの再獲得

脳出血回復期にある人の看護

■1 脳出血の回復期の病態・治療・看護

■2 事例で考える脳出血回復期の生活基本行動レベルのセルフケア再獲得支援

◆3 家庭におけるセルフケアの再獲得

脳出血家庭復帰期にある人の看護

■1 脳出血の家庭復帰期における治療と看護

■2 退院後の生活における課題

■3 事例で考える脳出血患者の家庭復帰に向けたセルフケア再獲得支援

◆4 家庭生活の役割遂行に関わるセルフケアの再獲得

関節リウマチをもつ人の看護

■1 関節リウマチ(RA)の病態と治療

■2 関節リウマチと看護

■3 事例で考える関節リウマチをもつ人の役割遂行に関わるセルフケア再獲得支援

◆5 職業生活とセクシュアリティに関わるセルフケアの再獲得

脊髄を損傷した人の看護

■1 脊髄損傷の病態と治療

■2 脊髄損傷者の看護

・1 急性期の看護

・2 回復期・維持期の看護

・3 セクシュアリティに関わるセルフケア再獲得の看護

・4 職業生活に関わるセルフケア再獲得の看護

■3 事例で考える脊髄損傷者の職業生活とセクシュアリティに関わるセルフケア再獲得支援

◆6 地域生活や余暇生活に関わるセルフケアの再獲得

中途視覚障害者のコミュニケーションに対する支援

■1 中途視覚障害者の置かれている状況

・1 中途視覚障害者の特徴

・2 中途視覚障害のために生じる不自由

・3 セルフケア再獲得の開始は視覚障害の発生したそのときから

・4 大切な心のケア

■2 中途視覚障害者の看護

■3 事例で考える中途視覚障害者のコミュニケーションに関わるセルフケア再獲得支援


【コラム】

・疾病発見の遅れ

・中途障害者の生活習慣病


資料

1 身体障害者障害程度等級表

2 障害者基本法


・看護師国家試験出題基準(令和5年版)対照表

・索引