看護基礎教育テキスト
ナーシング・グラフィカ
看護の統合と実践(2):医療安全 第5版
発行 : 2023年1月
サイズ : B5判 288頁
ISBN-10 : 4-8404-7846-5
ISBN-13 : 978-4-8404-7846-5
商品コード : 308010144
在庫 : 在庫あり(申込可)
正誤表●「なぜ、事故は起きるのか」「どんな事故が起きるのか」「起きてしまったらどうするのか」を順序立てて記述し、スムーズに読み進むことができるよう工夫しています。
●事故を防ぎ、安全を確保するために重要なチーム医療についての解説が充実しています。チームSTEPPSや在宅における多職種協働など、詳しく解説しています。
●患者や療養者だけでなく、医療従事者にとってのリスクについても手厚く解説しています。新人看護師として知っておきたいリスクを知ることで、安全への認識をより高めます。
●看護実習における医療事故と対応、実習で習得すべき看護技術のリスクと安全について丁寧に解説しています。学生のみならず、実習指導者にも参考にしていただける内容です。
3,300 円(税込)
目次
【ARコンテンツ】
●編者からのメッセージ〈動画〉
●医行為と看護行為〈アニメーション〉
●看護師の特定行為〈アニメーション〉
●医療過誤の事例と法的責任〈アニメーション〉
●看護記録の開示と訂正〈アニメーション〉
●静脈内注射〈動画〉
●点滴静脈内注射〈動画〉
●経口与薬〈動画〉
●患者確認〈動画〉
●手術時の安全管理:手術安全チェックリストの活用〈動画〉
●針刺し事故防止〈動画〉
●転倒転落防止策①〈動画〉
●転倒転落防止策②〈動画〉
●呼吸と嚥下〈アニメーション〉
●医療事故対策適合品〈動画〉
●アラームが鳴ったときの対処法〈動画〉
●輸液ポンプ・シリンジポンプの取り扱い〈動画〉
●住宅改修の一例〈動画〉
●高齢者の住環境整備〈動画〉
●介護ベッドでの事故〈動画〉
●福祉現場で働く看護職〈動画〉
●さまざまな虐待とその通報〈アニメーション〉
●感染症~冷静な対応のために〈動画〉
●手洗い〈動画〉
●アルコール製剤による手指消毒〈動画〉
●滅菌手袋の着け方・外し方〈動画〉
●感染性廃棄物の処理〈動画〉
●ガウンテクニック〈動画〉
●過失・予見と回避〈アニメーション〉
●KYTの実際・事故予防のために・〈動画〉
●実習前に知っておきたいチェックポイント〈動画〉
●シミュレーション学習〈動画〉
・はじめに
・本書の特徴
【1 医療安全と看護の理念】
◆1 医療安全の意味と重要性
■1 なぜ医療安全を学ぶのか
・1 医療事故は避けられない
・2 利用者(患者)の立場で医療を考える
■2 医療安全に関わる動向
・1 医療安全の考え方の変化
・2 患者主体の医療と医療安全
・3 医療情報と医療安全
・4 医療機器,医薬品の開発と医療安全
・5 チーム医療と医療安全
■3 医療安全の対象
・1 患者安全(patient safety)
・2 医療従事者の安全
■4 医療安全に関する基礎知識
・1 有害事象
・2 医療事故,医療過誤,医療紛争
・3 アクシデント,インシデント,ヒヤリ・ハット
・4 過失
・5 テクニカルスキル,ノンテクニカルスキル
・医療の質・患者安全を推進するグローバルな取り組み
◆2 看護職の法的規定と医療安全
■1 看護倫理と医療安全
■2 看護師の法的規定
・1 医療法に定められた医療提供者としての姿勢
・2 保健師助産師看護師法
■3 看護業務の変遷と安全管理
・1 静脈注射
・2 分娩における役割分担と連携
・3 職種間での役割分担の推進
・4 特定行為に係る看護師の研修制度
■4 看護行為における行政処分と再教育
【2 医療安全への取り組みと医療の質の評価】
◆1 国の医療安全への取り組み
■1 国の医療安全への取り組みの経緯
・1 医療安全対策の始まり
・2 医療安全対策の考え方
■2 医療法における医療安全対策
・1 医療安全対策の法的義務付け
・2 医療法の改正
■3 診療報酬における医療安全対策の評価
■4 医療安全に関する国内外の研究
・1 有害事象(エラー)についての研究
・2 安全文化についての研究
◆2 看護職能団体の取り組み
■1 日本看護協会
・1 日本看護協会の活動
・2 日本看護協会の医療安全への取り組みの経緯
・3 日本看護協会による支援の実際
・4 医療事故に伴う法的責任の動向
■2 日本助産師会
・1 安全対策委員会活動
・2 安全相談窓口の開設
・3 会員の異常報告・事故報告の義務化
・4 助産業務ガイドライン
・5 分娩を取り扱う助産所の開業基準
・6 助産所機能評価への取り組み
・7 助産所責任保険等の保険への加入推奨
・8 助産師の資質向上のための研修会の開催
・9 「健やか親子21」関連の活動
・10 医療法改正に伴う助産師会の取り組み
・11 安全性確保の観点から必要な助産師マンパワー確保対策
◆3 国および医療関係団体の示す医療事故の定義と分類
◆4 医療安全管理者:医療安全の中心的役割
■1 医療安全管理者創設の経緯
・1 医療安全管理者の創設と配置
・2 医療安全の確保の義務化
■2 医療安全管理者とは
・1 医療安全管理者の定義
・2 医療安全管理者の位置付け
・3 医療安全管理者の業務
◆5 医療事故への対応
■1 事故を予防する
・1 間違えることを前提とした予測の重要性
・2 医療事故を予防するための日ごろからの備え
■2 事故発生時
・1 初期対応
・2 中長期的対応
■3 組織としての事故防止と事故発生後の対応
・1 患者や家族との紛争化の防止に向けた取り組み
・2 医療対話推進者の役割
■4 医療事故の予防および再発防止のための安全文化の醸成
◆6 医療事故の被害者(患者)・家族の思いに寄り添ったケア
■1 患者・家族の声に耳を傾ける
■2 患者・家族とのリスクコミュニケーションを心がける
■3 医療安全対策の背景や根拠を知る
■4 起こった(発見した)エラーを正直に報告する
■5 医療事故後の対応:医療事故の被害者(患者)・家族の思いに寄り添ったケア
・事故を起こしたときに考えたいこと
・看護師になるあなたに目指してほしい三つのこと 医療事故の患者家族から看護学生へ向けたメッセージ
◆7 医療事故の報告制度
■1 医療法における報告体制の整備
■2 医療事故情報収集等事業
■3 医療事故を報告する目的(院外と院内)
◆8 医療の質の評価
■1 医療の質の評価とその必要性
■2 医療の質の評価への取り組み
・1 病院機能評価事業
・2 看護必要度による評価
・3 医療の質の評価と公表の推進
【3 事故発生のメカニズムとリスクマネジメント】
◆1 事故発生のメカニズム
■1 ヒューマンエラーとは
・1 ヒューマンエラーが関係した事故事例
・2 ヒューマンエラーのメカニズム
・3 心理的空間と物理的空間
■2 人間特性
・1 生理的特性
・2 認知的特性
・3 集団的特性
■3 エラーを誘発しやすい環境
・1 ヒューマンファクター工学のモデル
・2 エラー誘発環境
・3 過誤強制状況:Error Forcing Context
◆2 事故分析
■1 事故の構造
・1 時系列の構造
・2 因果の構造
・3 パターン化
■2 事故分析に重要なこと
・1 事故分析の目的
・2 事実の把握
・3 事故データ
■3 具体的な分析手法の特徴
・1 インシデント分析の流れ
・2 事故の構造に基づく分析
・3 フレームワーク型の分析と利用方法
◆3 事故対策
■1 リスク低減の考え方
・1 設計時
・2 運用時
・3 監視時
■2 エラープルーフ
・1 エラーの発生防止とエラーの拡大防止
・2 労働安全の考え方
・3 人間中心の設計
■3 リスクマネジメント
・1 災害の規模の階層性
・2 安全文化
・3 インシデント報告システム
【4 チームで取り組む安全文化の醸成】
◆1 チーム医療の発展と課題
■1 日本でのチーム医療の展開
・1 看護とチームナーシング
・2 公衆衛生(保健師)とチーム医療
・3 日本でのチーム医療のはじまり
■2 グループからチームへ
・なぜチームトレーニングが必要か:患者家族からのメッセージ
◆2 チームSTEPPS:エビデンスに基づいたチームトレーニング
■1 チームSTEPPSとは
■2 チームに求められる基本原理と実践能力
・1 チーム体制と四つの実践能力
・2 四つの実践能力から得られるアウトカム
■3 チームSTEPPSの活用
・1 チーム体制を整える
・2 リーダーシップを発揮する
・3 コミュニケーションを推進する
・4 状況をモニターする
・5 相互に支援する
■3 エビデンスに基づいた協働の成果
【5 看護業務に関連する事故と安全対策】
◆1 看護業務と事故発生要因
■1 看護業務の特徴的な環境とリスク
■2 人と人とのコミュニケーション
・1 コミュニケーションとは
・2 コミュニケーションエラーを減らす伝え方
■3 原因と結果分析の重要性
◆2 誤薬と与薬事故:分析と対策
■1 背景
・1 誤薬と与薬事故
・2 与薬業務とチームの協働
・3 与薬業務を複雑にする要因
■2 注射事故の内容と要因分析
・1 生命への影響が大きい注射事故
・2 注射事故の分析
■3 注射事故への予防対策
・1 注射事故を予防するための作業方法改善のアプローチ
・2 確認作業:六つのRightとダブルチェック
■4 種類と剤形,投与方法および管理
・1 種類・剤形
・2 投与方法
・3 薬剤の管理
■5 内服与薬業務の特徴と注意点
・1 内服与薬業務の特徴
・2 その他の注意点
・輸血
◆3 患者取り違え(誤認):分析と対策
■1 背景と要因
■2 対策
・1 問いかけ,ネームバンド等による確認
・2 タイムアウトの実施
◆4 針刺し:分析と対策
■1 背景
・1 針刺しとは
・2 エピネット
■2 対策
◆5 転倒転落:分析と対策
■1 背景
・1 転倒転落とは
・2 転倒転落事故の深刻さ
■2 要因
・1 転倒転落事故の危険要因
・2 転倒転落事故発生のメカニズム
■3 対策
・1 アセスメントの実施
・2 事故防止対策の立案・実施
・3 転倒転落防止ケアのポイント
◆6 誤嚥:分析と対策
■1 背景と要因
・1 誤嚥の内的要因
・2 誤嚥の外的要因
■2 対策
◆7 異物遺残:分析と対策
■1 背景と要因
■2 ガーゼ等遺残の防止対策
◆8 皮膚障害:分析と対策
■1 背景と要因
■2 対策
◆9 医療機器のトラブル:分析と対策
■1 背景と要因
・1 医療機器のトラブルの例
・2 医療機器のトラブルの状況
■2 対策
・1 人間側への対策
・2 機械側への対策
◆10 検査,処置時のトラブル:分析と対策
■1 背景
■2 対策
◆11 チューブ類のトラブル:分析と対策
■1 背景と要因
・1 チューブ類のトラブルとは
・2 チューブ類のトラブルの例
■2 対策
・1 気管チューブ,気管切開チューブ
・2 静脈ライン
・3 経鼻栄養チューブ
◆12 電子カルテ等情報伝達時のトラブル:分析と対策
■1 背景と要因
■2 対策
【6 在宅看護における医療事故と安全対策】
◆1 在宅看護の現状
■1 在宅看護とは
・1 在宅看護のひろがり
・2 地域包括ケアシステムの実現に向けた施策
■2 在宅看護をとりまく現状
・1 超高齢社会とリスク管理
・2 医療依存度の高い療養者の増加
・3 訪問看護の担い手とその現状
◆2 在宅看護における医療事故とその対応
■1 在宅看護における医療事故の特徴
■2 在宅看護で起こる医療事故と対応
・1 在宅で起こる医療事故
・2 医療機器関連の事故
・3 処置時の事故
・4 職員間の連携ミスによる事故
・5 療養者のせん妄による事故
■3 在宅看護における介護事故とその対応
・1 入浴介助時の転倒事故
・2 介護ベッドでの事故
■4 医療・介護以外での事故とその対応
・1 外出時の交通事故
・2 コミュニケーショントラブル
■5 不慮の事故に遭遇した場合の対応
◆3 在宅看護におけるリスク管理の現状と課題
■1 サービスの範囲の明確化と情報共有
■2 他職種との協働と今後の課題
◆4 高齢者施設,介護施設等での安全対策
■1 高齢者施設,介護施設等とは
■2 介護施設におけるリスクマネジメント
・1 介護施設におけるリスクマネジメントとは
・2 安全な体制の構築
・3 個別のリスクへの対応
・4 ヒヤリ・ハットやアクシデントの分析
・5 事故後の対応
・6 家族や利用者本人にリスクを共有してもらう取り組み
・7 身体拘束
・8 虐待防止
【7 医療従事者の安全を脅かすリスクと対策】
◆1 看護職の業務上の危険とは
◆2 感染の危険を伴う病原体への曝露
■1 職業感染
■2 職業感染の原因となる病原体と感染経路
・1 空気感染
・2 飛沫感染
・3 接触感染
・4 血液・体液曝露による感染
◆3 職業感染に対する予防策
■1 標準予防策(スタンダードプリコーション)
・1 標準予防策の基本的な概念
・2 標準予防策の具体的な方法
■2 感染経路別予防策
・1 空気感染予防策
・2 飛沫感染予防策
・3 接触感染予防策
■3 ワクチン接種
■4 感染症における疾病就業と就業制限
■5 廃棄物の適切な取り扱い
◆4 医療機器・機材の使用に関わるリスクと対策
■1 電離放射線の被曝
・1 放射線被曝の影響と医療者の被曝
・2 被曝線量の基準と対策
■2 殺菌用紫外線への被曝
・1 殺菌用紫外線とは
・2 殺菌用紫外線被曝の影響
■3 ラテックスアレルギー
◆5 医薬品への曝露
■1 抗がん薬の曝露
・1 がんの治療と化学療法
・2 抗がん薬とは
・3 抗がん薬への曝露の影響
・4 抗がん薬曝露の経路と対策
・5 抗がん薬取り扱い時の防護
■2 各種消毒薬,有機化合物への曝露
・1 アルデヒド類-有機化合物
・2 ハロゲン系薬剤
・3 アルコール類-有機化合物
・4 エチレンオキシド-有機化合物
・5 予防策
◆6 労働形態,作業に伴うもの
■1 シフトワークに伴う生体リズムの乱れ
・1 夜間勤務による心身の不調
・2 睡眠と生体リズム
・3 生体リズムの乱れに対する予防策
■2 腰痛
・1 看護と腰痛対策
・2 腰痛に関与する要因
・3 リスクの回避
◆7 患者,同僚および第三者による暴力
■1 物理的暴力,精神的暴力
・1 暴力とは
・2 暴力への対応
■2 パワーハラスメント
■3 暴言,モラルハラスメント,セクシュアルハラスメント
【8 看護学生の実習と安全】
◆1 実習における事故の法的責任と補償
■1 法的責任
■2 実習中の事故への補償
◆2 実習中の事故予防および事故発生時の学生の対応
■1 無資格者である看護学生が行う看護技術の考え方
■2 実習に行く前に
・1 体調を整え準備する
・2 危険予知力を高める
■3 安全に実習を進めるために
・1 実習環境や人になじむための努力をする
・2 受け持ち患者に関心を寄せる
・3 提供する技術に関する事前学習を行う
・4 指導者の助言・助力を受ける
・5 保健医療チームの一員としての自覚をもって,報告・連絡・相談に努める
・6 エラーを減らすための戦略
■4 現場での対応に困ったら
・1 事故を起こした・起こしかけたら
・2 医療機器・薬剤・患者の私物や家財などを破損したら
・3 自信のないケアや処置を実施するか迷ったら
・4 患者が急変したら
◆3 医療安全をどう学ぶのか
■1 学内での学び
・1 講義形式の学習
・2 問題提示型の学習
・3 シミュレーション学習
■2 実習に出てからの学び
・1 現場から学ぶ
・2 自身や仲間の体験から学ぶ
・3 実際にケアや処置を行い指導者からフィードバックを受ける
◆4 習得すべき看護技術のリスクと安全
■1 環境調整技術に伴うリスクと安全
■2 食事の援助技術に伴うリスクと安全
■3 排泄援助技術に伴うリスクと安全
■4 活動・休息援助技術に伴うリスクと安全
■5 清潔・衣生活援助技術に伴うリスクと安全
■6 呼吸・循環を整える技術に伴うリスクと安全
■7 創傷管理技術に伴うリスクと安全
■8 与薬の技術に伴うリスクと安全
■9 救命救急処置技術に伴うリスクと安全
■10 症状・生体機能管理技術に伴うリスクと安全
■11 感染予防の技術に伴うリスクと安全
■12 安全管理の技術に伴うリスクと安全
■13 安楽確保の技術に伴うリスクと安全
◆5 実習における安全についての指導者の役割:予防と事故発生時の対応
■1 実習中の事故予防
・1 実習指導者の役割
・2 他の指導者との連携
■2 事故発生時の対応
・学習参考文献
・看護師国家試験出題基準(令和5年版)対照表
・索引